3歳児ってどんなことができるの?
成長を支えるための関わり方って?
この記事ではこんなお悩みを解決していきます。
保育歴8年・子育て心理アドバイザー資格取得中に学んだことから発信しています。
日々の子育てに取り入れていけるポイントもお伝えしていきますね♪
子どもの発達に応じた適切なかかわりを学んでいきましょう!
3歳児の身体成長と発達
3歳児は運動機能が急速に発達し、多様な動きを身につけることができる時期。
ことばの発達も著しく、これまでは単語をつなげて会話をしていたものが、”文章にして話すことができるようになる””質問に対して受け答えができる”などコミュニケーション力も上がります。
知識が増えてきたり、新しいお友だちとの出会いなどもあり、
・興味の幅が広がることから「なんで?」「どうして?」と質問が止まらない。
・自己主張が激しくお友だちとトラブルに・・・
など成長していく中で、対応の仕方に迷ってしまう場面も出てきますよね。
それぞれの発達・関わり方についても確認していきましょう!
・身体の成長
3歳から4歳の1年間で身長は平均7.1cm伸びます。
体重は2~3歳のころと同じくらいの増え方で、生まれたときの4倍くらいになります。
3歳児の平均体重は以下をご覧ください
月齢 | 男子 | 女子 |
3歳0か月~3歳6か月 | 14.13kg | 13.62kg |
3歳7か月~3歳12か月 | 15.15kg | 14.63kg |
身体全体のバランスが良くなり、筋肉が発達します。
(※あくまで目安です。成長のスピードはそれぞれ異なるので焦らずゆっくり見守っていきましょう。気になる場合は3歳児検診で相談してみてもいいかもしれません)
3歳児になると肺活量が増え、持久力が増していきます。
視力は1.0前後、聴力も青年並みになり、背骨がほどよいカーブ(S字型)になります。
・運動機能の発達
3歳になると脳の神経は成熟し、様々な体の動きができるようになります。
一般的には以下のような動きができるようになります。
・片足ケンケンで3歩以上進める
・つま先立ちで歩ける
・後ろ向きに歩ける
・三輪車がこげるようになる
・一度地面についたボールがキャッチできる
◎2つのことを同時にできるようになる
「~しながら、~する」という異なった2つの動きをすることができるようになります。
例えば「走りながらボールをける」「拍手をしながらジャンプする」など2つの動きを取り入れた遊びにも積極的に挑戦します。
この時期は身体の一部に負担がかかる運動よりも、できるだけ全身を使った運動を取り入れることが取り入れることが大切です。
3歳児のことばの発達
この時期になると使える言葉は1000語くらいになり、自分の名前・性別・年齢を理解します。
そして自分の通う園・クラスの名前はもちろん、友だちと関わるための言葉も習得していく大切な時期となります。
・文章的な話ができる
この時期には言葉の数が増えるだけでなく、言葉をつなげて文章にして話すことができるようになります。
過去のことや自分の予想したことについても話そうとします。
一方で自分が思いついたことを話すという特徴がみられ、話題に一貫性はありません。
・ことばの理解と表出
この時期の子どもが使う言葉は以下のような内容です。
3歳前半
・興味の幅が広がり、大人への質問が増える。
・物事の見通しが持てるようになる。(お風呂に入ったら寝る準備をするなど)
・「大きい」「小さい」「良い」「悪い」などの反対概念が理解できる。
3歳後半
・自分の思ったことを話せるようになる。
・質問に対して答えられ、自分で説明を付け足して話せるようになる。
・ある程度の説明を言葉ですることができるがまだ語彙が足らず伝えられないことがある。
・子どもの質問攻め!どうする?
この時期の子どもはいろんなことに興味を持ち、納得するまで聞いてきます。
中には大人がうまく答えられない質問もありますよね。
しかし、子どもの質問を笑ってごまかしたり無視するのはよくありません。
なぜなら子どもが質問することはよくないことと捉えてしまうと、せっかく芽生えた好奇心をつぶしてしまうことになるからです。
子どもに質問をされたときは、わかりやすい言葉で正しい説明をするようにすることが大切です。
そうすることで子どもは新しい知識だけでなく、コミュニケーションの方法を学んでいくのです。
子どもからの質問に答えることが難しい場合、「どうしてだと思う?」と問い直すことも大切です。自分の質問を自ら考えると、自分なりの答えを導きだし、言葉で表す力・想像力や発想力を養うこともできます。
・絵本を読む
子どもの記憶力・理解力が発達するこの時期は、ますます絵本の楽しさを感じられます。
絵本を通して相手との言葉のやり取りを学んだり、実際に自分でも言葉を出しながら楽しむ姿が見られることでしょう。
先ほどの質問攻めの内容に戻りますが、質問の内容を実際に子どもと絵本や図鑑で一緒に調べて学ぶ、というのもいい対応ですよ♪
3歳児の対人・社会性
3歳頃になると自分のことを「ぼく」「わたし」として認識し自分の年齢なども理解してきます。
幼稚園に入園することで新しい友だちの存在に気づき、気の合う子とあそんだりする一方で自分の思いを主張しすぎてトラブルに発展することも多くあります。
この時期の人との関わりは以下のような特徴があります。
・自分の思いを言葉で表現できるようになる。
・言葉で自己主張をするようになる。
・物の貸し借り・順番に使うことができるようになる。
・相手の気持ちに気づくことができるようになる。
・好きな友だちと同じことをしたがる。
・他者の表情から感情を推測できるようになる。
・お手伝いをして人の役に立つことを喜ぶ
・共感性の育ち
他人と同じだと感じる共感の気持ちを育むためには、、、
子どもが「嬉しい」「楽しい」「悲しい」という感情を理解できるようになったら、大人は子どもの表情に結ぶつけた感情の言葉を使ってあげるといいです。
(例えば、「楽しいから笑っちゃうね!」「悲しくて涙が出るね」など)
このように大人が子どもに共感するかかわりが、子どもの自分の感情をとらえる力・表情が示す感情の意味を理解する力を育んでいきます。
また新しいお友だちとの出会いをきっかけに、好きなお友だちができその子がいないと「さみしい」という感情を味わいます。
「さみしい」という感情を理解すると泣いている子を見て”あの子はさみしいのかな?”と想像できるようになります。こうして人とのかかわりを通して「共感」する力が育っていくのです。
・関わり方のポイント!
友だちとのかかわりが増えてくるこの時期。
いじわるしないかな、うまく遊べるかな?と心配にもなりますよね。
しかし子ども同士の遊びに介入しすぎるのはよくありません。
トラブルが起こった時親に依存してしまったりするので、子どもの成長を見守るためにも基本的には直接介入することは控えましょう。
とはいっても、自己中心性が強く子ども同士のトラブルを自分たちで解決することはまだ難しいです。
親が介入する時に気を付けるポイントは以下です。
①子どもに気持ちをたずね、代弁する
子ども同士が仲良く遊んでいるように見えても、中には気持ちを言えず我慢してしまう子どももいます。
そんな時は「〇〇君もおもちゃ使いたいよね」「〇〇ちゃん、どんなお顔してる?悲しそうだね」など子どもの表情から気づけるような声掛けをすることが効果的です。
②「好き」な気持ちを認める
「好き」という気持ちは自分の原点になるもの。
それぞれ好きなものは違う。違っていて当たり前だということを伝えていきます。
大人が子どもの「好き」という感情を尊重し大切にすることで、子どもも他の人の「好き」を大切にしていくことができます。
子ども同士のケンカはどう対応したらいい?
幼稚園など集団の場に入ると、たくさんの友だちと出会います。
自分と対等の存在である友だちと過ごす時間は、自分中心の考えではなかなかうまくいきません。
ここで重要となってくるのが社会性の育ちです。
子どもは相手と気持ちがぶつかりトラブルになることから、相手の気持ちを知り解決の方法を知ることができます。
この経験を繰り返すことで、やがて相手の気持ちを汲み取ったり、状況を理解し自分の気持ちに折り合いをつけたりすることができる”社会性”が身についていくのです。
じゃあ子ども同士のケンカはどう対応したらいいの??
ここからは実際の対応の仕方についてです。
①まずはクールダウン
思い通りにいかないと大泣きしたり、カッとなって手が出たりすることもあります。
こういう場合は、クールダウンが必要です。
なぜならそのまま話をしても、何も頭に入らないのです。
その場にいるとクールダウンは難しいので、落ち着いた環境に移動します。
そして「大丈夫、大丈夫」と気持ちが落ち着くように寄り添います。
少し落ち着いたときに、水を飲ませたり涙を拭いたりすると気持ちが切り替わることもあります。
②子どもの気持ちを受け止める
ケンカになった時にはまず「どうしたの?なにがあったの?」と聞いてみます。
状況がどうであれ、まずは子どもの主張を最後まで聞きましょう。
それから「〇〇だから嫌な気持ちになったんだね」「おもちゃ貸してくれなかったから怒っちゃったんだね」「そっかそっか」などと気持ちに共感し、あなたの味方だよと安心感を与えられるようにかかわります。
そうすることで自分を客観的に見ることができるようになります。
③状況を整理する
子ども同士のケンカの仲裁をする場合は、上記の①と②をした後、「ちょっと待っててね」と相手の友だちにも話を聞きます。
その間子どもが一人になる時間をつくることで、自分の気持ちと向き合うことができます。
仲裁をする立場の人は必ず両方の思いや言い分を聞きましょう。
④子ども同士が考えられるきっかけをつくる
両方の話を聞いたうえで、状況を言葉で再確認します。
ここで大切なのはどちらか一方が悪い!と一方的に終わらせるのではなく、
「どうしよっか?」「どうしたらよかった?」と子ども自身が考えられるられるきっかけを作りましょう。
お互いが納得することができると、子どもは気持ちを切り替えまた遊びに戻ることができます。
ポイント
・子どものケンカの仲裁は時間がかかるが、社会性が育つきっかけにもなる
・手っ取り早く解決すのではなく、お互いが納得できる解決法を子どもと探しましょう
まとめ
3~4歳の1年で子どもの成長は急加速し、できることが増えたり「自分でやりたい!」と自主性が芽生える一方で、うまくできずもどかしい思いをすることもあります。
どう関わったらいいのか悩むこともあるかもしれませんが、目の前の子どもにあった対応をすることが一番大切。
大人の私たちが年齢に応じた発達段階を知っておくことが、子どもたちの成長を支える適切なサポートにつながります。
子どもの成長や発達は個人差があるので、周りと比べて焦らず目の前の子どもに合わせて見守っていきましょう!